【お知らせ】訃報
去る9月17日、当サークルメンバーの狐さんが亡くなりました。
享年25歳、生を全うしたと言うには早すぎる死でした。
先の日曜日に葬儀が執り行われました。
棺に入った後輩を見送るのはあまりに非現実的体験で、未だに区切りがつきません。
即売会の売り子も何度か務めてくれたので、顔を見たことのある方もいらっしゃるかもしれません。
体つきのがっしりした、眼鏡をかけた色黒の男を覚えていたら、それが彼です。
ライブにも何度も付き合ってくれました。
2012年までのCDでは半分以上の曲で彼がギターを弾いてくれています。
不慣れなサークル立ち上げ当初に積極的に参与してくれる彼のような人間がいなければ、今こうしてCDを出せていなかったかもしれません。
気のいい男で、とても大事な人物でした。
私にとってもっとも印象深い彼の思い出は、大学のサークルの合宿です。
寝静まった合宿所の狭い防音室。
調子の狂ったピアノ、徹夜の高揚感、笑い声、手癖と酒の勢い。
二人で夜更けまでアレンジを詰めた記憶は、今でも鮮明に思い出すことができます。
そうして出来たのが「El Pasado Ausente」に収録した「神々が恋した幻想郷」の原型です。
人と音楽を作る喜びを本当に感じたのは、もしかしたらあのときが最初だったのかもしれません。
2010年の春、はじめてCDを出すちょうど一年前のことです。
幸運にも残されていた録音を聞くと、当時の気持ちが蘇ってくるような気がします。
故人の生前の姿に想いを馳せながら、彼の冥福を一緒に祈っていただければ幸いです。