ジャージと愉快な仲間たち

東方 Project の音楽を南米民族音楽風アレンジで生演奏するサークルです

【背景・解説】C84新譜「Jina-Jina Tinku 4/4」について【あるいは弁明】

こんばんは。お久しぶりです。主宰です。

遅ればせながらC84お疲れさまでした。
当サークルのスペースにお越し下さった皆さん、ありがとうございます。
当日は生産が間に合わず完売させてしまい申し訳ありませんでした。
近々にメロンブックスさんにて委託頒布が始まる予定ですので、いましばらくお待ちいただければと思います。


さて、今回頒布致しました新譜『Jina-Jina Tinku 4/4』ですが、早速各所から様々な反応を頂いており嬉しい限りです。ありがとうございます。
今回は、その中でも特に多いであろう

「4曲目のこれは一体なんなんだ ジャージのメンバーはそろって病気にかかってしまったのか?」

という感想について、この曲がこのような一見めちゃくちゃなものになった背景をお話したいと思います。



フォルクローレ定番曲としての「Jina Jina
 「Jina Jina」と書いて「ヒナ・ヒナ」と読みます。「ジナジナ」と読まないのはスペイン語表記のため。先住民の言語で「まあまあ」と人に声をかけるようなニュアンスだそうです。

 日本の学生フォルクローレ界隈(そういう界隈があるのです、信じ難いことに)には「Takiririllasu」という定番ナンバーがあります。この曲の別名こそ、他ならぬ「Jina Jina」でなのであります。初心者はまずこの曲を練習するいわゆる入門曲のひとつなのですが、その曲中では《¡Jina Jina!》と大声で何度も間の手を入れなければなりません。これがパフォーマンス慣れしていない日本の学生がフォルクローレに馴染めるかどうかのひとつの関門といえましょう。これに恥じらいが残るうちはまだまだお客さん、これを人前でやって楽しめるようになってくるといよいよこちら側の人間、という、ある意味一里塚ともいうべき曲であり、 またその後もコンサートのアンコールなどで長く付き合っていくことになる、思い出深い曲なのです。

実際の演奏をひとつ紹介しておきましょう。
これは日付によると我々の先輩の演奏のようですね。

楽しそうに見えましたか? そういう方には今回のCDはうってつけかもしれません。


☆タイトル「Jina Jina Tinku 4/4」の含意

 今回のCDタイトルが鍵山雛と「Jina Jina」をかけたシャレであることはもはや言うまでもありません。「Tinku」はリズム形式の名前、「4/4」はTinkuが4/4拍子であることと、今回の収録曲4曲中4曲がTinkuの曲であることひっかけた、やはりシャレになっています。

 Tinkuはボリビアポトシ地方で行われる喧嘩祭りのことです。男たちが独特の身振りで殴り合い、その血を大地の神に捧げて豊作を祈願するのです。その殴り合いの身振りで踊るためのリズム形式もまたTinkuと呼ばれます。YoutubeなどでTinkuの曲をいくつか見ると、それこそ雛のようにくるくるとまわりながら踊る映像をみることができるかもしれません。今回のCDは、そういった感じの音楽を4曲つめこんでいます。


☆叫びがなければフォルクじゃない?
 
 これまで2年数ヶ月にわたるサークル活動の中で、私にはひとつの懸念がありました。
 先ほどの動画のように、我々は曲の中で体を動かしたり叫びを入れることを「フォルクローレの雰囲気を表現する手法」として獲得して来た部分があります。しかしこれは日本の音楽からみれば明らかに異質なものです。もちろんそうだからこそ「フォルクローレ」の特徴たりうるのですが、では果たしてこれを東方アレンジに持ち込んで、日本の音楽に親しんでいるリスナーに受け入れてもらえるのか? そこには確信が持てませんでした。今まで何度か叫びをいれた曲を作ったこともありましたが、やりすぎないようさじ加減を慎重にしてきました。

 一方で、やはり民族音楽を看板に掲げているのだから、自分の中の民族音楽のイメージに極力近いものを出してもいいのではないかという考えもありました。特に同人活動を始めてから、「体を動かすための音楽」としてのフォルクローレの特徴を他の音楽と比較して強く感じるようになり、その表現のためには、踊りは無理でも叫びは入れたい、そう考えることが増えて来ていました。

 今回の「Jina Jina Tinku 4/4」では、雛とJina Jinaという偶然の一致をネタとして利用してリスナーの「叫び」という表現に対するギャップを少しでも和らげることで、やっと叫びを存分に曲に取り入れることが出来ました。今後もこういった曲を盛り込んでいくか、あるいはこれが最後になるかは、皆さんの感想を拝見して考えたいと思っています。ご意見ご感想、どしどし頂ければ幸いです。



こんなの全部読んでられっか! という人向けまとめ

Jina Jina は ジナジナ じゃなくて ヒナヒナ って読んでね!
○雛とJinaをかけた高度なギャグだよ!
ボリビアではこのくらいの叫びは日常茶飯事だよ!
○だから病気じゃないんだよ!
○反応が不安だから感想教えてね!


以上。主宰からでした。次のイベントは9/1 真・東方神居祭におじゃまします。
北海道の皆さんよろしくお願いします。札幌二郎超楽しみ!